記念すべき第100作品目、2019年4月1日から始まった朝ドラ「なつぞら」
こちらでは、一足先に第10週目全体のあらすじ・ネタバレを載せていきます。
今回の舞台となる場所は
なつの年少期「上野」
青春時代を過ごす「十勝」
夢を目指す「新宿」
実力派の豪華なキャストも多く、楽しみです!
ナレーションは内村光良。


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***以下、あらすじ・ネタばれの記載あり ご注意ください***
第10週あらすじ「なつよ、絵に命を与えよ」
今週の見どころワンポイント!「アニメーターの世界」
なつ、いよいよ初出社!
なつは亜矢美に洋服を選んでもらい、東洋動画スタジオの仕上課へ初出社した。
なつよりも半年前に入社した森田桃代の隣で、セルロイドの裏側に色を塗る「彩色」の仕事をするのだ。
夕方、初日の仕事を終えると、なつはアニメーターの仲努と美術スタッフである山田陽平の働く作画課に行った。
アニメーションというのは、まず2枚以上の原画を描き、その原画同士の間をつなぐ「中割(なかわり)」と呼ばれる動画が何枚か描かれ、1つのシーンカットとなる。
その原画と動画を描く人を「アニメーター」と呼ぶ。
東洋動画では、原画を描く人が仲と井戸原昇(いどはら のぼる)の2人しかいないので、彼らを助けるために「セカンド」と呼ばれる6人が、仲ら原画担当との間に立ち、動画を描く人たちを指導しているのだという。
近くでは、セカンドの大沢麻子(おおさわ あさこ)が、堀内幸正(ほりうり ゆきまさ)が描いた動画について、これでは人の気持ちが伝わってこないと指摘をし、それに対して反論している堀内ともめていた。
その翌日、作画課に顔を出した後に、なつが中庭に行くと、その日も堀内ともめた麻子がつかつかと近づき、なつをまくしたてた。
「あなた、何なの?何しに来てるの、ここに。そんなおしゃれにばかり気を遣って」
結婚相手を探しに来ているだけならば目障りだからうろうろするなと、八つ当たりされたなつは茫然とした。
なつは、亜矢美のおさがりを着ているだけなのだが、かつて踊り子であった亜矢美の服は、ほとんど派手なものばかり。
アニメーターとは
なつは風車に戻ると「白蛇姫」のヒロインの顔が描かれている動画用紙を取り出した。
そして新しい紙の上に動画用紙を重ね、ヒロインの顔を描き始めた。
なつはこの日、セカンドの下山克己(しもやま かつみ)に、先輩たちの書き損じの絵がごみ箱に入っているから、それを拾って模写すると練習になると教わったのだ。
そして、なつは早速、堀内が捨てた動画用紙を拾ってきたのだった。
翌日の昼休み、なつは描き上げた動画用紙を机の上に置いたまま、昼食用のパンを買いに行った。
そして、中庭でスケッチしている下山を見つけ、隣に座り、気になっていた麻子のことについて尋ねてみた。
「あの・・・下山さんから見て、大沢さんは怖いですか?」
「怖くないよ、ちっとも。熱心なだけで。彼女はアニメーションにとって、一番大事なことを、初めから感覚として分かっている人なんだ」
「それって何ですか」
「命を吹き込むことだよ。動かないものに魂を与えて動かすこと、つまり命を与えるってことなんだ。本気で命を吹き込もうと思えば、悩まないアニメーターなんていないよ」
「アニメーション」という言葉の意味を教えてもらった、なつ。
その同じ時刻、仕上課にやってきた麻子は、なつが机の上に置いたままの動画用紙に気がつくと、パラパラとめくりながら見ると顔色が変わり、それをどこかへ持っていってしまったのだ。
食事を終えたなつは、描きかけの動画がないことに気がつき青ざめる。
そして麻子を追い、作画課にやって来たなつは、麻子が堀内と話をしていたので、しばらく様子をうかがう。
「これ、どうして捨てたの?いいわよ、これ。ただ中割できれいに動きをつなぐだけが、動画の仕事じゃないんだもの」
その動画には、ヒロインがうつむきながら泣き伏す直前に、一瞬、天を仰ぐように振り向いて恨みがましい目をする絵が入っていた。
その1枚が入ることで、ヒロインの気持ちがより一層伝わってくるんだ、これは私がずっと望んでいたことなんだという事を、麻子は熱心に堀内に語った。
「僕が描いたんじゃない。僕はこんな稚拙な絵は描かないよ」
「・・・じゃ、誰が描いたのよ?」
「すいません・・・それは、私が描きました」
なつがそう言うと、仲や下山たちはすぐに駆け付け、じっくりとその絵を眺める。
そして、なつのその発想に改めてアニメーターとしての素質を感じたのだった。
チャンス到来!
その後、仲の強い推薦により、なつにまたチャンスが与えられた。
作画課では、6月に採用されて養成期間を過ごした人たちに、2か月ごとに能力審査を行い、合格した人の中から動画を任せることになっている。
なつに次の12月の能力試験を受けてもらい、合格したらアニメーターとしての採用が決まるということだった。
12月になり、なつは4人の若者と一緒に、試験を受けた。
試験は15枚以上の動画を描き、デッサン力、線の美しさを採点するというものだったが、なんと、なつは30枚もの動画を描いていたのだ。
枚数は人一倍だったが、中には中途半端な出来具合の絵もあり、キャラクターの線も崩れているものもあった。
「彼女は、そういう基礎を学んでいないんですよ。全部、われわれが描いたものを見ての独学なんです」
仲はそう援護し、いつもは口うるさい演出家の露木重彦(つゆき しげひこ)までもが、なつの個性的な、生き生きとした動きのある絵を評価し、一目置いた。
しかし、結果は不合格。
試験が不合格だったなつは、自分の実力が足りなかったことを強く実感した。
そしてなつは、正月も十勝には帰らずに、仕上の仕事と作画の勉強に更に励むのだった。